おはぎの気持ち

 

「これから、おはぎ よばれよか」

 

先日、叔母のところへ送った小包。

 

翌日、叔母が電話で

 

「さっき着いたところで、

もうすぐお昼やのに、うちの人

『これから、おはぎ よばれよか』って言ってね」って。

 

やっぱり、おはぎ。

 

そこのおはぎ、美味しいの。

 

耳が遠くなって、電話に出るのが

億劫になっている叔父も、

「電話代わって」って言って出てくれて。

 

よろこんでくれている叔父と叔母の声。

 

今度は、何を送ろうかな☆

 

 

 

 

 

人生で一番こころ動いた吹き出し

 

「おはよう」

 

ちっちゃな手をギュッとにぎって、

ベビーベッドの上でちょこんと座る

今起きたばかりのうれしそうな赤ちゃんに語りかける

お母さんの言葉。

 

その言葉は、セピア色の写真に書き添えられた

吹き出しにありました。

 

 

「おはよう」

 

  

その言葉には、お母さんの愛情が溢れていました。

 

 

優しく、慈しみ深いお母さんの眼差し。

 

 

「おはよう」

 

 

「今、目覚めたのね」

 

 

「これから、あなたが見る世界は

とっても素晴らしい世界なのよ」

 

 

「ようこそ、よく来たね」

 

 

「生まれてきてくれて、ありがとう」

 

 

愛おしくて、愛おしくて。

 

 

お母さんのよろこび。

 

 

「おはよう」

 

 

その言葉に、ただただ涙があふれました。

 

 

 

 

贈るよろこび

 

「20種類も入ってたよ」

 

時々、94歳の叔母のところへ、小包を送る。

 

お惣菜や甘いもの、おせんべいや果物。

 

いろんなものを混ぜて詰める。

 

すると電話で

 

「今回は、20種類も入ってたよ」と。

 

叔母は、珍しいものをよろこんでくれる。

 

珍しいものといっても、

いろんなものが身近にあって

すぐ手に入る私たちにとっては

日常のもの。

 

でも、田舎暮らしの叔母にとっては、

すべてが珍しい。

 

20種類の珍しいものを目にして

叔母はよろこんでくれる。

 

箱に詰めながら、ありがたいな

といつも思う。

 

贈りたいと思う人がいること。

 

その人がよろこぶ顔を想いながら

贈る準備をするよろこび。

 

「どれを一番よろこんでくれるかな?」

 

「明日は、なんて言ってくれるだろう?」

 

「これ、きっと好きだろうなぁ」

 

そんなことを想いながら

箱に詰めるよろこび。

 

それは、贈りたいと思う人がいるから。

 

贈るよろこびをくれる人がいるということ。

 

ありがたいなぁと思う。

 

明日は、叔母はなんて言ってくれるだろう。

 

 

 

 

 

なにも言わなくても

 

今日、じんわりとしあわせを感じた瞬間。

 

 

人が深く思考しているとき

 

黙ってそばにいるの

 

きらいじゃないかも。

 

 

いえ、むしろ、好きかもしれない。

 

 

 

なにも言わなくても。

 

 

 

そんな瞬間。

 

 

しあわせだなぁって思う。

 

 

 

ご機嫌でいること

 

「あなたが言ったように、ポジティブでいるようにしてるの」

 

中国人インターンの子と一緒の帰り道。

 

残業中に買い出しに行った時に買ったビールを

忘れてたことに気づき、駅に向かう帰り道、

ビールを片手にご機嫌に話す彼女。

 

以前は、少しのことが気になって、

よく涙目で話に来ていました。

 

今は。

 

とっても生き生きしていて、楽しそう。

 

そんな彼女が、ちょっと酔っ払ったと言いながら

 

「あなたが言ったように、ポジティブでいるようにしてるの。

そして、みんなに親切にするようにしています。」と。

 

中国で、いつも心配しているお父さんに

「強くなった」と言われたのだそう。

 

彼女が本来持っていた優しい無邪気な笑顔が

ますます輝き出しました。

 

 

 

 

 

 

先輩から後輩へ言い伝えられて

 

毎年恒例の一般教養の授業。 

 

今年は、昨年のおよそ倍の400人の学生が履修。

 

講座を担当している友人が

1回目の授業の時に

「なぜこの講座を受講したのか?」について

アンケートを取ってくれていました。

 

それを見ると、

「先輩・友人にすすめられたから。

面白いと言われたから」が

およそ7割。

 

そうやって、先輩から後輩に伝えられて

履修者が増えていく。

 

うれしいなぁと思いました。

 

それにしても、採点した数とレポートの数が合わない。。。

 

レポートは減らず、

お皿の上のパイナップルだけが

減っていく。

 

  

 

 

 

関心がないのではなく、、、

 

「ただ『知らない』だけであったと気づいた」

 

 

昨日に続き、学生レポートの採点をしていて。

 

レポート2つめの課題は、

「今日の授業を受けて、みなさんの中に起こった変化(気づきなど)

を1つ書いて下さい。」というものでした。

 

300人以上のレポートを読んで、

ものすごく心動かされた言葉。

 

それは、

 

「国際的な内容に、関心が自分はないと思っていたが、

ないのではなく、ただ『知らない』だけであったと気づいた」

 

関心がないものというのは、

ほとんどの場合、耳を傾けず

そのままいつものように通り過ぎてしまうもの。

 

ところが、彼女は

今まで関心がなかったものに触れ、

それが、関心がなかったのではなく

ただ『知らない』だけであったと気づいた。

 

彼女の奥底に、何かが

ひっそりと、でも、輝きをもって

芽生えた瞬間。

 

それを感じたとき、

ものすごく心動かされました。

 

この一瞬。

 

こういう瞬間を

大切にしたいなぁと思いました。