特別だから

週末届いた実家からの小包に、小さな松茸が入っていました。

食べることはあっても、食材として扱うのは初めて。

母に調理法を聞くために電話。

松茸ご飯にすると、お米に埋もれてわからなくなってしまう量だから、

手で割いた松茸だけをお酒とお醤油につけて、レンジで少しなじませてから、

炊きたてのご飯に後から混ぜるといい、と。

そのときに母が、「初物を食べるときは、東に向いてオホホって微笑んでから食べると

いいらしいよ」と一言。思わず聞き返すと、「裏千家のお家元は、おばあさんにそう言われて

育ったんだって」と。

 

いよいよご飯が炊けて、食べようという時、そうだと思い出し、東を向いて

「オホホ」。ふむ。

面白い。

 

それに、初物をより味わって食べられる気がしました。

お家元のおばあさんは、満面の笑顔でオホホと呟いていたそうですが、

お家元はなんて笑うんだろう、と想像しながら、今年の秋の初物を美味しく頂きました。

 

初物を頂く喜びをささやかに祝う小さな習慣。

それによって、特別感が増し、そのものをより深く味わえる生活の知恵。

 

あなたも何か特別なことをするとき、始めるとき、自分なりの小さな習慣を

作ってみてはいかがでしょうか?

そのとき、満面の微笑みをプラスすると、より深く、あなたの特別を味わえるかもしれません。