「本人の意思の表明がない場合でも、教職員は適切な機会を通じて、建設的な対話を
働きかけるなど、その学生がニーズの申し出をできるよう自主的な配慮に努める。」
一年に一度、キリスト教系の大学で講義を受け持っている中、今年も授業に関する
連絡事項がまわってきました。
今年は5年目。その中で初めて目にする注意事項がありました。
それは「障がい学生支援に関する基本方針」とその配慮文書。
今年度の授業には聴覚障がい学生がいるため、配慮ある授業を行ってほしいとの連絡でした。
例えば、口の動きで内容を読み取ることがあるので、通常よりゆっくり、はっきりと口を開けて
話すように、映像教材を使う場合は、事務室に「文字起こし、字幕付け申請」を行うようになど。
大学の方針として、障がいのある学生が、障がいのない学生と同じように学生生活を
送れるよう修学の機会を確保するために環境を整えていく。
ただ、大学側が良しとする環境を整えるだけではなく、障がいのある学生一人一人のニーズを
学生が自ら伝えられるように働きかける、という一文。
大学視点の環境ではなく、その学生一人一人の視点に立って、環境を整えていく、という
大学の姿勢に共感しました。
私が方眼ノートの力を今のところ唯一学生に還元できる場。
授業開始後のわずかな時間ですが、学生が自分のニーズを、自分の望むことを人に伝えられる、
そんなお手伝いができるような授業ができれば、と改めて思いました。