福々しい笑顔と元気の秘訣

 

「一緒にカーテン見てもらおうと思って、

今日は、カーテン屋さん呼んでるんよ」

 

94歳の叔母が言いました。

 

40年経って古くなった縁側のカーテンをかけ替えたいと

カーテン屋さんを呼んだのだという。

 

15時に来てくれるらしい。

 

チャイムが鳴って、玄関を開けると、

そこには、恵比寿さんのように

にこにこしたおじいちゃんが立っていた。

 

カーテン屋さん?

 

話していると、やっぱりカーテン屋さんみたい。

 

「どうぞ」

玄関を上がってもらっていると

後ろから、杖をついたおばあちゃんが現れた。

 

「すいませんなぁ」

 と言いながら、入ってきたおばあちゃんは、

奥さんらしい。

 

電話帳を2冊合わせたような分厚いカタログを

2冊持って、お二人で採寸に来てくれたみたい。

 

今回お願いした縁側で、メジャーの端と端を持って

採寸してくれている。

 

ひとつの間を測って、おじいちゃんが「5m2cm」と採寸したのを

おばあちゃんが、紙に書く。

 

次の間を測ったら、

今度は、「4m50cm」。

ところが、おじいちゃん、ボソッと「さっきの間とおんなじやな」。

 

え!?おじいちゃん、さっきは5m2cmって言ってたよ。

 

おばあちゃんも、「さっきは、5m2cmやで」と言うと、

「そうか。ほな、も一回測ろか」って。

 

そんなのどかなカーテンの採寸のあとは、

みんなでのどかなコーヒータイム。

 

その84歳のおじいちゃんは、1年に1回、

孫と車で旅をするのを楽しみにしているのだという。

 

仕事でも

「この辺で、ちょろちょろ仕事してるより、ええんでね」

といって、四国や他府県へ、今でも車でどこへでも行くそうです。

 

おじいちゃんの福々しい笑顔と元気

の秘訣が見えました。