美しく魅せるということ

 

パリに来て、改めて感じたことがある。

 

それは、人々が「美しく魅せる」ということを

日常生活の中で、自然にしているということ。

 

今回、宿泊場所に選んだのは、初めてのパリ郊外。

 

こじんまりとした街で、いい感じの場所だ。

 

駅から100mのところにある

こちらもまたこじんまりとしたホテルを

今回の宿泊場所に選んだ。

 

今朝、洗面台に

日本から持ってきた

携帯用のシャンプーとコンディショナー、

クレンジングミルクと洗顔フォームを

置いていた。

 

なんの意識を留めることもなく、

ただ置いていただけ。

 

それが、帰ってみると、

洗面台の端に、それらが

斜めに、背の低い順番で一列に

並べられていた。

 

なんだかとてもうれしくなった。

 

部屋を整えてくれる人が、

こんな小さなところにもこだわって

彼女の美的センスで、

私の帰りを迎えてくれたこと。

 

感動した。

 

そして今日、オフィスの食堂でランチをとったとき。

 

私は、パエリヤを選んだ。

 

目の前で、お皿にパエリヤをのせて、

ソースをかけて、エビの串刺しをのせて

ムール貝をのせてくれる。

 

それが、ソースをかける場所にバランスがあり、

エビの串を置く場所があって、そして、ムール貝

ひとつひとつ、手でパエリヤの山に刺している。

 

ささっと手際よく、無造作にのせているように見えるが、

お皿の上には、色と形のバランスがあり、

見ているだけで楽しくなる。

 

ムール貝をひとつひとつ刺すシェフの手も

バランスを見ながら、なんだか楽しそうに動く。

 

 

「美しく魅せる」ということ。

 

 

それは、日々の暮らしを楽しみながら、

周りの人も楽しくすることができるのだ。

 

 

 

 

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