高校生の紙芝居が教えてくれたこと
もうすぐ、7年目の東日本大震災の日を迎えます。
今、テレビでは、震災に関する番組が多く放送されています。
その中で、釜石市の高校生たちが紙芝居を作って
別々の場所にいても、それぞれが率先して、
自主的に津波から避難する大切さを
子供たちに伝えたいと、
小学校で、防災の授業を開いたというニュースがありました。
通常は、小学生の子供たちに、映像を見せて
津波の怖さを知ってもらい、それぞれが自主的に
津波から非難する大切さを伝える、というものでした。
でも、中には、後からその映像を思い出し、
おびえてしまう子供たちがいることも事実でした。
高校生たちの紙芝居の授業と
通常の映像を見せる授業。
それは、同じメッセージ
「津波てんでんこ:別々の場所にいても、
それぞれが率先して、自主的に避難する」
を伝えているのですが、
その方法は、まるで違っていました。
そして、その授業を受けた子供たちへ与える影響も
まったく違ったものになっていました。
紙芝居の授業を受けた子供は、
「怖かったけど、わかりやすかった」と。
同じように、津波の怖さを伝え、
同じように、自主的に非難する大切さを伝えているのに
子供に与える影響は、まったく違ったものになっていた。
あなたは、なぜだと思いますか?
何が違ったと思いますか?
そこには、決定的な違いがありました。
通常の授業では、
津波の怖さを知ってもらって、
いかに自主的に避難することが大事かを伝えます。
つまり、
「津波って、こんなに怖いんだよ。
だから、みんな自分で率先して避難しようね。」
というメッセージ。
高校生たちが作った紙芝居の最後にあったもの。
そこには、おとうさん、おかあさん、おにいちゃんと主人公のななちゃんの
あふれる笑顔が、画用紙いっぱいに描かれていました。
高校生たちが伝えたかったメッセージは、
「津波って、こんなに怖いんだよ。
だから、みんな自分で率先して避難しようね。
そしたら、おとうさん、おかあさん、おにいちゃん、
みんなに会えるよ。」
この2つのメッセージから、あなたは
何を受け取ったでしょうか?
どちらが、自分で率先して避難するという行動へ
あなたを突き動かすでしょうか?
通常の授業の中にはなくて、
高校生たちが作った紙芝居の中にあったもの。
それは、
「あなたが、そしてみんなが望む未来」。
高校生たちの紙芝居は、
あなたとみんなが望む未来を見せてくれていました。
「あなたが、そしてみんなが望む未来」が、
人を突き動かす。
彼女たちは、おそらく
マインドフルネスゴールという言葉を知らないでしょう。
でも、彼女たちが見せてくれた世界は、
まさしくマインドフルネスゴールの世界でした。
こころが震えました。