見てる人はちゃんと見てくれてる
「いい仕事してくれてありがとう」
所長から、上司に送られた言葉。
いくつものオフィスが関わっている案件で、
どこかで誤解が生じ、近く支払うことになる
資金が用意されていないことが判明。
先日、急に上司のところへ問い合わせが来た。
上司の知らないところで資金の話し合いが進んでいた案件。
直前になって、誰も責任を取らなくなって、
ポンっと火種が投げられる。
こういうこと、私たちの仕事では多い。
本部から「至急どうするのかアドバイスを」
所長から「あとは任せた」メールが
どんどん入る。
さすがの上司もちょっとひと言、もの申したげ。
本部への返事を書くのに、自分のメール画面を
私にシェアしながら、書き始める。
確かに上司が書いていることは事実だけど、
ちょっと語気が強くて、どこかに角が立ちそうな語調。
上司のフラストレーションが表れている。
上司が書き終わったとき
「確かに事実だけど、ちょっとナイスな書き方ではなくないですか?」
と言うと、
「だって、言いたくもなるだろう。いつもこうやって。。。」
そう。
上司の言いたいことはとてもよくわかる。
だいたいの場合、だれも責任を取らなくなった火種を投げられて、
消火活動をするのは私たちだから。
「そうですよね!やってらんないですよね!」
そうしてひとしきり笑った後、
上司は、「今、手続きを取っているところだから、
決まったら折り返す」と書き替えて、送信。
翌朝。
所長から、上司へ。
「いい仕事してくれてありがとう」
どういういきさつで、上司のもとへ
お鉢がまわっていったか知っている所長。
たった一言だけど、上司に任せた所長の気持ちが表れている。
見てる人は、ちゃんと見てくれてる。