お客さんに自分の希望を伝えてもいい?
久しぶりに服を買う。
通りがかりのディスプレイ。
素敵なジャケットだな。
手に取ると奥からお姉さんが出てきた。
ジャケットを肩にかけ、なんだかカッコいい。
歯切れのいい口調で、ジャケットの説明をしてくれる。
気になった2つの色のジャケットを試着する。
どちらも、いい。
お姉さんの意見を聞いてみる。
「私の個人的な好みで言ってもいいですか?」
もちろん。
「パッと見た瞬間、顔映りがとても明るくて、
こちらの色の方を、すごく綺麗に着て下さっているので、
是非こちらの方を着て頂きたいなぁと」
変わらず、歯切れのいいリズムで話す。
なんだろう。
いやじゃない。
よくあるのは、
「こちらの方が顔映りが明るくて、よくお似合いですよ」とか
当たり障りのない、必ず「似合ってますよ」という言葉。
今回は、お姉さんのどちらを着てほしい、という意見が入っている。
でも、押しつけに感じない。
勝手な感じ方だが、
服の気持ちになって言ってくれてるような感じがする。
似合っているものを着てもらいたい。
それは、服を扱う人として、
そして扱っている服の気持ちを代弁するかのように。
買うということを伝えてからのやりとりだからかもしれない。
意見を求められたときは、もちろん
それがお客さんにとっていい、と思う場合に
理由と共に自分の希望を伝えるのは、
強力なメッセージだと思いました。