まさふみくん
まさふみくんが、なくなった。
まさふみくんは、
母方の私たちいとこ20人の長兄だった。
まさふみくんは、
小さい頃、母と一緒に
しばらく母の両親に育てられた。
「ぼく、大きくなったら
おじいちゃんみたいになる」
まさふみくんは、
子煩悩なおじいちゃんが大好きで
小さい頃、そう言っていたと母から聞いた。
小さい頃から、自分はどんなにつらくても
大人をかばう子供だったと聞いた。
まさふみくんの
目じりのたれたとてもやさしい笑顔が浮かぶ。
小さい頃から、
夏休みに遊びに行くと
いつもやさしい笑顔で迎えてくれた。
まさふみくんは、
男気があって、大きくて、
かっこよくて、とてもやさしくて
こころのとてもあったかい人だった。
いつも人のために。
「なんであんないい子が」
かなしみと悔しさに
母は泣いた。
心配をかけたくない
まさふみくんらしく、
病気のことは、家族以外には誰にも言っていなかった。
病床から、聞き取れない声で
自分のお母さんに何かを言った
なんて言いたかったんだろう
ちゃんとお母さんに届いていますように
まさふみくん
大好きなおじいちゃんに会えたかな
まさふみくん
まさふみくん
みんなで仲良くしあわせに
まさふみくんが望んだ世界
これからいつも
まさふみくんとともにありますように