Robert

 

出会いは、9年前。

 

ナイロビでは、ほんのわずかな距離でも

タクシーを使うように言われる。

 

たくさんあるタクシー会社の中から、

セキュリティ上、信頼のおけるタクシー会社1社が

職場から勧められていた。

 

その他、ホテルが呼んでくれるタクシー会社も

安全だ。

 

ホテルとオフィスコンパウンドの11kmの距離を

毎朝、毎夕、いろんなタクシードライバー

送迎をしてくれた。

 

愉快な口調で話すドライバー、

ノリのいいドライバー、

道案内をしてくれるドライバー、

いろんなドライバーがいた。

 

Robertは、その中のタクシードライバーの一人だった。

 

彼は、無口で静かだったが、

聞いたことには、丁寧に答えてくれた。

また、ケニアの情勢や政治や経済についての

彼の洞察は鋭かった。

 

以来、私は

空港からの送迎と、朝夕のホテルと職場の送迎を

彼に依頼するようになった。

 

今回が5度目のケニア

 

出張前に、Robertが勤務するタクシー会社のメールアドレスに

到着日の空港からの送迎をお願いするメールを送ったが、

不達のメッセージが返ってきた。

 

前回行ったのは、4年前。

タクシー会社を辞めたのかもしれない。

 

ふと、前回、不動産のビジネスを始めたと言って

名刺をもらっていたことを思い出した。

 

そこにあった電話番号にかけてみる。

 

出た!

 

Robert!?

 

4年後の今、私のことを覚えているだろうか?

 

すると電話の向こうから、

 

「覚えています。

以前もらったペンを子供たちは、とてもよろこんでいました。

今は、タクシードライバーをやめているけど

あなたのためなら、迎えに行きます。」

 

そう言って、今回も空港に迎えに来てくれた。

 

あなたにお願いできると

安心して滞在ができます。

 

いつもありがとう。