八幡さまの風

 

今日は、諸所の事情で

実家から車で1.5時間のところにある

病院で第一回目のワクチン接種。

 

一回目だから大丈夫だ、って言うのに

車の横に乗って、ついてきてくれた母ちゃん。

 

接種が終わって、15分待って、

それから駐車場に行ったら、

母ちゃんがいない。

 

電話をしたら、その病院のすぐ前にある

八幡さんにお詣りしてるという。

 

私も前から行ってみたかった場所。

 

「行く行くー!」

 

二つ返事で、八幡さんに向かった。

 

病院の前の横断歩道を渡ると

100段くらいあるだろうか、

石段がずっと山の方に向かって伸びている。

 

その石段の真ん中くらいに

母が座ってた。

 

「ここの風が気持ち良くて」

 

そう言って、石段に座って

涼んでた。

 

八幡さんにお詣りして、

 

「ここの風、本当に気持ちがいいのよ」

 

そういう母と一緒に

石段のてっぺんのところに座った。

 

石段からは、小さな町が見渡せる。

 

そこをさ~っと通り抜ける風。

 

頭上の大きな楠の木の葉っぱの間を

さわさわと風が通り抜け、

それはそれは、なんとも言えないくらい気持ちがいい。

 

母がふと言った。

 

「病気も治りそうな風やねぇ」

 

あ~ 本当にそうだ。

 

本当に病気も治りそう

 

そう思えるような

爽やかで清らかな

優しさに包まれた

八幡さまの風。

 

今、思い出しても

何とも言えないしあわせな気持ちになる。

 

母ちゃん、今日はありがとう☆