人生の師
ゼミの先生が、2度目の経営学部長に就任された。
大学120年の歴史の中で、再任は初めてのこと。
門下生一同で、オンライン色紙にお祝いのメッセージを贈ったら
先生からメッセージが返ってきた。
「皆さんメッセージ大変ありがとうございます。
心のこもったメッセージを頂き、望外の喜びでした。
私は、基本的に教育者に向いていない人間であると自覚していますが、
皆さんに少しでも示唆を与えられているとしたら、
それは最も大事なことから考えようと日々心掛けているからだと思います。
もし、皆さんが私から何か教えを受けたとお思いなら、それは私の考えではなく、
ご自身の考えなので、自信を持って歩んで下さい。
今度は私が学ばせて頂きます。」
私が経営学の研究から離れ、
私なりに経営学と付き合っていくと決めたとき、
先生から教えて頂いたことを受け継ぎ、
私なりに伝えていきます、
と誓った。
研究者としては、先生の教えとご恩に
報いることはできなかったけれど、
私なりの経営学との付き合い方で
いつか先生によろこんでもらえたら、
そう思っていた。
先生に申し訳ない、と思っていたのに、
先生が背中を押してくれた。
涙が出た。