一番強いのは誰?

 

今日のRIZINのファイナルマッチ。

 

有名国立大学大学院卒の異色のサラリーマンファイターと

急上昇中の勢いのある若手ファイター。

 

サラリーマンファイターの人は、いつもニコニコしていて

平日は企業で仕事をして、夜だけの練習。

格闘家には全然見えない。

 

一方の若手ファイターは、刺青バッチリ、

青春時代は、ケンカに明け暮れていた人で

プロの格闘家。

 

試合前の煽り映像で、

サラリーマンファイターの人が言っていた。

 

「人は、社会の中で仮面をかぶらなきゃいけない。

 

自分もサラリーマンをしているときは、仮面をかぶっている。

 

自分を解放できる場所が、リングの上だった」

 

「自分は、格闘技で頂点に立つ男でもなければ、

 

脚光を浴びる選手でもない。

 

でも、ギラギラしている奴だけが勝つわけじゃない」

 

そんなことを言っていた。

 

この人に勝ってほしい

 

そう思った。

 

サラリーマンファイターが言う

ギラギラしている奴は、当に

対戦相手の若手ファイターだった。

 

会場は、地元大阪出身の

若手ファイターへの応援で

圧倒されていた。

 

試合開始直後、若手ファイターの

飛び蹴りで、サラリーマンファイターが倒れ

会場は湧いた。

 

でも、結局2ラウンド目で

サラリーマンファイターが勝った。

 

だけど、なんだか素直に喜べなかった。

 

なんだろう。

 

若手ファイターのギラギラは、

本当なのだろうか。

 

彼の目は、やさしい。

 

目は口ほどにものを言う

という。

 

試合中、彼は、サラリーマンファイターが倒れたところを

襲いかからず、起き上がるまで待った。

 

相手をナメた

 

試合を盛り上げようとした

 

見方はいろいろあるだろう。

 

だけど、

ギラギラした彼は、

本当の彼なのだろうか

 

そんな疑問が湧いた。

 

「本当の自分とつながった者が一番強い」

 

この試合は、私にそんなことを

教えてくれている気がした。

 

完全アウェイの大阪で勝った

サラリーマンファイターの人に

会場から大きな拍手が湧き起こった。

 

彼はリングを降りてから、泣いていた。

 

どちらにも勝って欲しい

 

そう思った試合だった。

 

本当に本当に

 

いい試合だった。