ペースを合わせる
合気道を始めて、10回の稽古達成。
有段者向けと小学生向け以外は、どの稽古に出てもよく、基本的には、女子稽古や
基礎稽古などの初心者向けのものに出ていますが、時々他の稽古にも出てみます。
女子稽古や基礎稽古では、基本の技をじっくりと丁寧に教えてくれるので、
わかりやすく、一つ一つの技を時間をかけて学べるようになっています。
ところが他の稽古では、みなさんある程度の経験者。
技をかけ合うのに、相手が初心者だと自分の稽古ができません。
そこで、生徒でもあり、先生でもある方が、だいたい各稽古に参加していて、
初心者の相手をして下さいます。
私が当たるのは、いつも「しごきの大谷さん(仮名)」と呼ばれる方。
とても面白く、いつも冗談を言っているのですが、道場に入ると声をかけるのも戸惑うくらい
真剣な表情に変わります。
普段女子稽古などで慣れているスピードとは全く違い、とにかく次から次へと技をかけられ、
技をかけるように促されます。
次は左足?右足?などと考えている暇はありません。
私が間違えていても、気づけるようにさっと示したら、はい、次!という大谷さんの
無言の声が聞こえます。
私はただ、とにかく大谷さんのペースに合わせて考える暇なく動く。
ところが、ひたすらそれを繰り返してるいうちに、なんとなくその技の感覚がつかめて
くるような気がするのです。
女子稽古や基礎稽古のゆっくりとしたペースでは、感じることのない感覚です。
稽古中は常に大谷さんのプレッシャーがありますが、終わってみると楽しいと感じているのです。
習い事を始めると、初心者向けのクラスがあり、しばらく通っているうちに、
なんとなくやめてしまう、そんなことありませんか?
自分にはまだ少し難しいかなという場面に出て、頭で考えず、その難しいレベルにいる人のペースに
ただ合わせる。
すると、今まで頭でどれだけ考えても見えなかった景色が、ふっとあなたの目の前に姿を
現してくれるかもしれません。