気持ちが緩む言葉

 

今日は、依頼していた印刷物が、南アフリカから届いた。

 

ところが、箱を開けてみると、すべての冊子が濡れていて

ページを開こうとするとひっついて、はがれてしまう。

 

全部、使い物にならない。

 

国際貨物の会社に、保険が適用されている荷物かどうか確かめる。

 

若い女性が電話口に出てくれた。

 

事情を聴いて、一生懸命対応しようとしてくれるが、

ちょっと困っている様子だった。

そして、保険がかけられていなかった荷物なので、と言う。

 

それでも、再度確認して、折り返し連絡をくれた。

 

でも、先日の台風で、空港の国際貨物置場が浸水してしまったために

ほとんどの荷物が水没し、保険が掛けられていた荷物でさえ、

保険の適用は難しいのだという。

 

謝りながら、一生懸命、空港にあるその会社の貨物置き場の状況を

途切れなく説明してくれる。

 

ずっとその対応に追われているであろうことが伝わってきた。

 

「大変でしたね」

 

そういうと、ふっと彼女の言葉が緩んだ。

 

「そうなんです。」

 

そこから続いてくる彼女の言葉は、先程までの

一生懸命な事務的な言葉ではなく、

気持ちのこもった自分の会社の状況の説明と謝罪。 

 

最後は、清々しい

「ありがとうございました」の声。

 

いつも相手の気持ちが緩む言葉をかけることができたら。

 

そう思います。