Just be strong

 

昨日、久しぶりにイギリスで

書いていたノートを見返して

思い出していた。

 

イギリスの田舎町にいた時は、

一人暮らしのおばあさんのところで

お世話になった。

 

ちょっと武骨なおばあさんだったけど

あったかくて、いろいろと気にかけてくれていた。

 

夜、おばあさんがロッキングチェアで

趣味のパッチワークをしている横で、

いれてくれた紅茶を飲みながら

テレビを見る時間は

ゆったりとしたおだやかな時間だった。

 

でも、ロンドンに出ることになって

そうはいかなくなった。

 

自分の家の一部屋を間貸ししてくれるところを

情報誌を見ながら探したけれど、

場所や条件、家賃や家主の感じ、

しっくりくるところは、なかなか見つからなかった。

 

ようやく女性一人暮らしのフラットを見つけて

間借りすることにした。

 

いろいろ家の中を説明してくれて、

紅茶を飲みながら、いろいろ話をして

うん、今度は大丈夫そう、

そう思っていたら、

 

週末に、彼女のボーイフレンドが来て、

家の合いカギを持っているから

いつでも入ってこれることを知った。

 

しかも今、内装のリノベーションを頼んでいるから

工事の人も、私がいない昼間に、

家の中に入ってくると思うけど、

大丈夫だから、って説明を受けた。

 

..... ありえない。

 

とても歓迎してくれていたので

言葉を選んで、でも、

ここには住めないことを伝えた。

 

彼女には、私がここには住めない理由が

わからないようだった。

何度も言葉を尽くして話した。 

 

2日間の話し合いで、

私の英語力は飛躍的にアップしたと思う。

 

おかげで最後は笑顔で了解してくれた。

 

でも、ようやく見つけたと思っていたのに

すぐに新しい家を見つけなければならなかった。

 

そうして、彼女の家に来て、

1週間後の週末に、私は彼女の家のカギを

郵便受けに入れて、新しい家に向かうために

呼んでいたタクシーに乗り込んだ。

 

ロンドンの曇天が、気持ちをさらに暗くした。

 

今度は大丈夫だろうか。

 

窓の外の景色を見ながら、

 

今度は大丈夫でありますように

 

そう祈っていた。

 

すると、私の不安な面持ちを察したのだろうか、

タクシーの運転手の人が話しかけてきた。

 

硬派なRockerって感じだった。

 

ときどき、

街の景色のことを話してくれたり、

ビートルズのことを話してくれたりした。

 

そして、これから私が向かう先のことを聴いた。

 

私は、これから新しく間借りする家に引っ越すこと、

そして、これまでのいきさつを話した。

 

そのとき、

彼が言った言葉が

イギリスにいる間中、

私を支えてくれた。

 

 

” Just be strong"

 

 

 

今でも

私の大切な言葉の一つになっている。