自分も人もしあわせになる方法

 

ナマコのトトちゃん。

 

捕獲したときは、

こわごわだったし、

うわ~っ!ぞわぞわ~

って感じだった。

 

ところが。

 

捕獲してから、

弟は気になるのか、

しょっちゅうナマコを見に行く。

 

見に行っては、

「うわ~!口からイソギンチャクみたいなの出してきた~!」とか

「うわ~!下から足みたいなのいっぱい出てきた~!」とか

「うわ~!フンした~!」

とか、叫んでる。

 

その声につられて、

母も私も見に行く。

 

そうして、

「ほら、イソギンチャクみたいやろ」

「足みたいなのいっぱいあるやろ」

「これフンやで」とか、言いながら

 

「ほんまやほんまや~」

って、みんなでじ~っとしばらく観察する。

 

そんなことを繰り返していたら、

不思議とナマコがだんだん可愛らしく見えてきた。

 

夜になって、また弟が、

「うわ~!きゅ~って丸まって寝てる~!」

って、言うので見に行くと

 

本当にきゅ~って丸まって寝てるのだけど、

その姿は、まるで子犬がきゅ~って丸まって寝ているように見えて

たまらなく可愛かった。

 

「めちゃめちゃかわいい~!!」

 

思わず母も私もそう叫んでいた。

 

弟は、

「ヤバいな~!うちの家族(笑)」

って大笑いしてる。

 

あんなに最初は、

うわ~!ぞわぞわ~ってしてて

捕獲してからも、見ようという関心がなかったのに、

夜には、母も私もナマコが可愛くてしかたなくなっていた。

 

この数時間の間のものすごい変化はなんだろう?

 

そうだ。

昔からそうだった。

 

弟は、自分がおもしろいと思ったものは

一人ででも、そのことに熱中してた。

 

そして、ほかのみんなが他のことを集まってしている横で、

一人ででもおもしろがってた。

 

そしたら、

おもしろがってる弟のしていることが

楽しそうで、おもしろそうで、

一人、二人と、みんなの輪から、

弟の方へ人が移っていった。

 

そうして、いつの間にか

弟の周りに人が集まって、

みんなで楽しむようになっていた。

 

とにかく、弟がやっていることは

いつもおもしろそうだった。

 

そして実際、

弟と一緒にやることは

なんでもおもしろかった。

 

そんな弟がやっていることと言えば、

 

自分がおもしろいと思ったことを

 

思いっきりおもしろがっているだけ、

 

感動したことをそのまま表現しているだけだった。

 

きっとそれだけでいい。

 

自分がしあわせで

 

周りの人もしあわせで

 

一緒にしあわせになる方法。

 

自分がおもしろいと思ったことを

 

思いっきりおもしろがって、

 

感動したことをそのまま表現するだけ。

 

それだけでいい。