自分でできるよろこびを思い出す
弟くんの介護のことを考えていた。
特別養護老人ホームとは、
要介護度5まであるうちの
要介護3であることが入居の条件だそう。
要介護3とは、
「立ち上がりや歩行、食事、排せつ、
入浴の際に全面的な介助が必要である」
それが、特別養護老人ホームに入居できる条件。
ところが、弟くんの特養に入居すると
それが自分でできるようになるのだ。
自分でできるようになった入居者さんの
顔をくしゃくしゃにして笑っている様子。
人は、いくつになっても
「自分でできる」
というよろこびを望んでいるんだと思った。
自分を振り返って。
叔父や叔母が、
あれをやりたいけどできない、
これをやりたいけどできない、というと
私が全部やっていた。
そう、叔母も言っていたのだ。
「自分でできたらなぁ」
って。
私は、その声を聞き逃していた。
叔母も、きっと自分でやりたいのだ。
今月帰ったときは、
叔母にも
「自分でできる」よろこびを
思い出してもらえるようにしようと思う。