ちゃんとバランスがとれている
「おねえちゃんは、小さいとき
あんまり笑わん子やったけど、
家の中も、笑うっていう
雰囲気じゃなかったなぁ」
私をマンションまで送ってくれる車の
助手席で母が言った。
やっぱり、そうやったんやね
そう言うと、
弟が後部座席から
「え!?そうやったん!?
全然知らんかった。
いつから気づいてたん?」
3歳くらいかなぁ
3歳くらいの記憶があるかと言うと
定かではない。
だけど、3歳くらいの頃の写真を見ると
よみがえってくる感覚や風景の色味が
母が今言った通りの感覚なのだ。
「え~!全然知らんかったわ~。
重苦しく感じた時って、
テストで成績わるくて
怒られてたときぐらいやもんなぁ」
そうやろうなぁ(笑)
弟は、人と一緒にいるのが
うれしくてうれしくて、
いつもはしゃいでたもんなぁ。
人との距離感がわからなくて
悩んでた私とは大違い。
同じ時を過ごしても
こうも受け取る感覚が違うものなんだなぁ。
弟の人が大好きなところは
今もそのままあって、
宴会部長とかやってる(笑)。
自分の会社だけじゃなくて
系列会社とか取引先の会社の
歓送迎会の幹事を頼まれたりしてやっている。
今回も、秋の人事異動で転勤になる人の
送別会を系列会社の支社長に頼まれて
やることになっているのだそうだが、
大人数の会合はできないから、
4回に分けて開催するため
弟と支社長は、その全部に出席するらしい。
ちゃんと弟の個性が活かされて
楽しんでやっている(笑)。
私のこの個性は、何に活かされるんだろう。
たぶん、これが父も言う
私のものすごく敏感な
ある一方向なんだろうな。
「お父さんと言ってたんよ。
〇〇と△△が二人いてて、
本当によかったなぁって」
私も本当にそう思う。
それぞれの個性がそのままで
ちゃんとバランスがとれている。